Up 「線型代数」の指導  


「線型代数」の数学

線型代数の伝統的な教科書は,線型変換・行列を最初から一般次元で論じます。 これは,数学の論述であって,教科書 (ひとに学習させる読み物) にはなっていません。
実際,線型変換・行列を最初から一般次元で授業されてわかる生徒は,いません。
線型変換・行列の指導は,2次元から,しかも図を多用して,行います。
2次元で,そして3次元で,「線型変換・行列」の勝手がわかるようになってはじめて,学習者は一般次元へと進むことができます。


  1. 確認:「授業設計」の考え方

  2. 主題研究

  3. 授業設計──「図の変形」アプローチの場合

    1. 全体構成

    2. 線型変換の導入──<合同・相似>の延長となる「同形」として
        (ゴール:線型変換の意味がわかる)
    3. 「線型変換」の作図
        (ゴール:線型変換のルールがわかる)
    4. 行列の導入
        (ゴール:行列の意味がわかる)
    5. 線型変換のいろいろ
        (ゴール:線型変換と行列を対応づけられる)
    6. 固有値
        (ゴール:固有値のアイデアがわかる)
    7. 線型変換の退化・非退化,行列の正則・非正則
        (ゴール:退化の場合があること,そしてそれがどんな場合かが,わかる)
    8. Im(f),Ker(f)
        (ゴール:Im(f),Ker(f) の概念の意義がわかる)
    9. 線型変換の合成,行列の積
        (ゴール:「線型変換の合成に行列の積を対応させる」の考え方がわかる)