Up 「統計」の意義/理由 作成: 2017-05-20
更新: 2017-05-20


    「生活」には,「生起する事態の予見」が含まれる。
    出来事に一回一回驚かないのは,それを想定内 (既知) にするところの<構え>が出来ているからである。

    予見には,つぎの二つのタイプがある:
    1. 推理 (dynamics)
    2. 当て込み (statics) ──「これまで起こっていることは,これからも同じように起こる」


    推理は,実際には難しい。
    生活の系は,複雑系であるからだ。
    この推理は,「複雑系の科学」の内容になる。

    そこで,予見は,当て込みが殆どになる。
    そしてこの「当て込み」を科学に回収しようとすると,「統計・確率」になる。


    即ち,「これまで起こっていることは,これからも同じように起こる」を
      「これまで起こっていること」
      「これからも同じように起こる」
    に分け,前者を「統計」で回収,後者を「確率」で回収,という格好になる。

    特に,「統計」「確率」は,「統計・確率」で一つである。
    (学校数学は「確率・統計」の分科名を立てるが,順序をいえば「統計・確率」とするのが正しい。)


    「これまで起こっていること」は,自明ではない。
    そこで,「これまで起こっていること」を定めることが,改めて作業として立てられることになる。
    統計学は,これをつぎのように行う:
    1. 対象を量の関係性と見る
    2. 量の関係性を定める

    量は複数考えられてくるので,上の作業は「多変量解析」の趣きになる。
    ──学校数学は,簡単のため (あるいは「基本」の位置づけで),「一変量」である。


    「量の関係性」は,難しい主題である。
    そこで簡単なところからということで,線型モデルから入っていく。
    そして,非線形モデルへの随時チャレンジというふうになる。


    「量の関係性」は,いろいろなアプローチが考えられてくる。
    統計学は,これらを以下のような主題に回収している:
    • 回帰分析
    • 判断分析
    • 主成分分析
    • 因子分析