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清水 (1934), pp.226, 227
俄然、コラッと大きな一喝を喰った。
目を上げるとそこには一人の巡査が立っている。
そして立退きを命ぜられたのである。‥‥‥
姉は今日はこちらは鬼門だよ。場所を替えよう、とて今度は九条の茨住吉の境内へ行くことにした。
ここは海老江の連れの縄張りである。
無断で稼げば縄張り犯しになる。
挨拶をせねばならぬ。
姉はすぐに坐を占めていた乞食の方へ行って交渉をして来たのである。
後で聞いたことだが、幾らかの歩を出すのである。
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引用文献
清水精一 (1934) :『大地に生きる』
谷川健一[編]『日本民俗文化資料集成・1 サンカとマタギ』, 1989, pp.155-292.
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