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清水 (1934), p.230
ここは松島の遊廓である。
午前一時頃から遊びの人達の足が繁くなって来る。
今日は姉に連れられて松島へ夜稼ぎに来たのである。
乞食の仲間では普通は昼稼ぎで、朝から夕方までであるが、特に遊廓方面に乞食するものは夜稼ぎと名付けて夜の十一時頃から出かけるのである。
そして一番物乞いの都合のよい時間は、一時から三時頃までであるが、物貰いの多い時は拾円札の二枚も貰うときがある。
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引用文献
清水精一 (1934) :『大地に生きる』
谷川健一[編]『日本民俗文化資料集成・1 サンカとマタギ』, 1989, pp.155-292.
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