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清水 (1934), pp.224, 225
乞食の世界、行乞の道、何を吾らに暗示しているのであろう。
私は行乞と乞食の世界を深く味わい探ることによって万人の貧らずに生きて行ける人世の指導原理が暗示されているような気がするのである。
泥棒と乞食、人間はいずれを求めているのであろう。
いわゆる泥棒にあらず、いわゆる乞食にあらずして真に天地の恵みをそのままに事けて生きて行く人間道、その発見こそ現代人の等しく求めているもののようである。
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引用文献
清水精一 (1934) :『大地に生きる』
谷川健一[編]『日本民俗文化資料集成・1 サンカとマタギ』, 1989, pp.155-292.
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