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清水 (1934), pp.222, 223
私は今日まで乞食に対する認識が欠けていた。‥‥‥
このようなドン底に悩みつつあるものの上にこそ仏としての救済の本願がある筈である。
むしろそうした人達ほど、一層救われ行く実証を、必ずそうした人達の中に示され、そしてその中から共に伸びゆく生命を悦んで行かれるようになるならば、それは私どもの本願でもあると強く信じられるのであった。
私の心は乞食への思慕がますます強くなって来た。
一つは内面の要求から、一つは外的事情から、それが一つになってやむにやまれぬ心となって来るのであった。
すべてを超えて乞食になろう。
それがせめての自分を真に生かす道であると信じられる。
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引用文献
清水精一 (1934) :『大地に生きる』
谷川健一[編]『日本民俗文化資料集成・1 サンカとマタギ』, 1989, pp.155-292.
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