Up 心得の訓諭 作成: 2025-02-06
更新: 2025-02-06


      清水 (1934), p.224
    そして [チャンは] 仲間になったものとしての心得を聞かしてくれたのである。
    こうした仲間では仲間の平和を乱すものは極刑になっている。
    即ち裏切者である。
    裏切者が見付かった時は死刑なのである。
    そして怠けてはならぬとの言葉を聞いた。‥‥‥
    怠けてはならぬ。
    なるほど恵みに生きる乞食には、怠けていては食って行けないのである。‥‥‥
    そしてチャンはさらに、貰ったものは自分のものとして絶対貧つてはならぬ、と云うのであった。
    ただ腹が空いた時食うことだけは絶対自由だと云うのである。


    引用文献
      清水精一著『大地に生きる』, 1934
        谷川健一[編]『日本民俗文化資料集成・1 サンカとマタギ』, 1989, pp.155-292.