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清水 (1934), p.224
そして [チャンは] 仲間になったものとしての心得を聞かしてくれたのである。
こうした仲間では仲間の平和を乱すものは極刑になっている。
即ち裏切者である。
裏切者が見付かった時は死刑なのである。
そして怠けてはならぬとの言葉を聞いた。‥‥‥
怠けてはならぬ。
なるほど恵みに生きる乞食には、怠けていては食って行けないのである。‥‥‥
そしてチャンはさらに、貰ったものは自分のものとして絶対貧つてはならぬ、と云うのであった。
ただ腹が空いた時食うことだけは絶対自由だと云うのである。
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引用文献
清水精一著『大地に生きる』, 1934
谷川健一[編]『日本民俗文化資料集成・1 サンカとマタギ』, 1989, pp.155-292.
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