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清水 (1934), p.230, 231
乞食そのものは境遇的のものであって決して民族的のものではないが、しかし何分永い間特別なる生活と職業を集団的に持って来たので、ほとんど民族的にも近いものになって来ていることは事実であって、相当その色彩が濃厚なものがある。‥‥‥
こうした民族的色彩が濃厚であるだけ、結婚の如きもやはり山窩、その仲間同志で結ぼれるのであって、決して他のものとは結婚等をやらないのである。
そして全国的に組織ある連絡を持っている。
大阪阿倍野のチャンの娘と神戸会下山のチャンの息子とが結婚をする、それを長柄のチャンが媒介人になるなどと言った具合である。
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引用文献
清水精一 (1934) :『大地に生きる』
谷川健一[編]『日本民俗文化資料集成・1 サンカとマタギ』, 1989, pp.155-292.
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