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清水 (1934), p.247
日々稼ぎに行くのは女、子供、不具者が比較的多いのであって、最も健康体のものは小屋の中でゴロゴロ遊んで過ごすときがある。
すこぶる不生産なことだが一朝事の起ったとき闘争の第一線に立って自己の団体を防禦するのである。
そう起るものでは無いがそうした時もある。
陸海軍の如きもこれを生産関係だけから見ればすこぶる不生産のようにみえるが、一朝事のある時最も大切のものであるように、乞食の集団にもこうした存在が必要とされているのである。
地上にそうした必要もない世界まで浄化されねばと思うが、なかなか求めても無理なものであろう。
したがって陸海軍の軍人に等しき役目に当たるものはあまり多く物貰いに出ないのであり、出でもあまり効果はないのである。
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引用文献
清水精一 (1934) :『大地に生きる』
谷川健一[編]『日本民俗文化資料集成・1 サンカとマタギ』, 1989, pp.155-292.
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