Up イデオロギーフリーの「気候変動入門」: はじめに 作成: 2021-12-30
更新: 2021-12-30


    ひとは,気候変動を恐れる。
    そこでイデオロギーは,ひとのこの恐怖を利用する。

    イデオロギーとは,何か?
    正義を立てる思考様式である。
    その正義は,復讐したい相手を悪にするための正義である。

    大衆は自分は正義に立ちたいと思うので,大衆に正義を示せばこれに乗ってくる。
    正義に立つとは,悪を憎み倒すということである。
    こうしてイデオロギーは,自分の復讐を,大衆を兵隊にして遂げることができる。


    正義は,虚構・虚偽である。
    イデオロギーは,大衆を騙して彼らを自分の兵隊にする。

    正義の虚構・虚偽を暴くものがある。
    科学である。
    科学には,正義も悪もない。
    科学は,()()(),正義の虚構・虚偽を暴くものになる。


    こうして,イデオロギーにとって科学は,支配していくものになる。
    イデオロギーは,科学を支配するために,疑似/似非科学を組織する。
    「学者」には,思考回路がもともとイデオロギーの者と,出来の悪い者がいる。
    彼らに,疑似/似非科学をつくらせる。
    イデオロギーが復讐しようとする相手を悪にする疑似/似非科学──これを彼らにつくらせるのである。

    疑似/似非科学による科学乗っ取りは,成功する。
    「学者」は,出来の悪い者がつねに多数派を占める。
    そして,その他の者はといえば,イデオロギーというものを知らないので,イデオロギーの科学乗っ取りに対抗する術を知らない。
    イデオロギーは,らくらくと学会を乗っ取るのである。


    イデオロギーは,大衆を自分の兵隊にする。
    大衆は,科学にとって「ゾンビ」のような存在になる。

    科学がイデオロギーに対抗する形は,ただ1つである。
    それは「啓蒙」である。
    具体的には,イデオロギーフリーの大衆向け「気候変動入門」をつくることである。

    しかし,科学者はだいたいがこれが下手であり,そしてこれに関心を持たない。
    そしてそれも,しょうがないところがある。
    <科学に没入>は,<ひとと対するのが苦手>と通じているところがある。

    というわけで,イデオロギーフリーの「気候変動入門」は,学者から出てくるのを待つよりも,自分でつくった方が早い──となる。
    それを,ここで試すとする。