Up 要 旨 作成: 2009-01-23
更新: 2009-01-23


    2009年1月現在,経済がデフレのステージに入っていくことが確実な模様になっている。政治経済における「規制緩和・グローバリズム」を基調とした「改革」路線の終焉も,これにより決定的となった。
    そしてこれに伴い,<民営化すればよくなる>の発想で始められた国立大学の「法人化」路線も終焉し,「改革」バブルで壊された国立大学の根本・本分の修復・回復ステージに入っていく。

    一般にシステムは,過剰へ進む運動と,過剰が自壊する運動を繰り返す。
    過剰の自壊は,過剰へ進む運動が新たに始まる状態へとシステムが整えられるプロセスである。

    経済ではこれを,「インフレーション (バブル) - デフレーション (恐慌)」の枠組でとらえる。
    本論考では,この用語を,システム一般の「過剰へ進む運動 - 過剰が自壊する運動」の意味で使うことにする。


    インフレーションとデフレーションは,前者が肯定的に (「上昇/伸び」),後者が否定的に (「下降/落ち込み」) にとらえられる。 特に,デフレーションに対しては,「危機」のことばが使われる。
    しかし,デフレーションはシステムの合理的な運動プロセスである。 インフレーションとデフレーションの比喩 (「上昇/伸び」と「下降/落ち込み/危機」) は,逆にしても成り立つ。

    合理的なプロセスに下手に抗う行為は,不合理になる。
    デフレーションに対し「危機」の意識を以て抗うのは,おおむね,よくない結果を招く。 ──実際,「危機意識」を唱える手合いは,自ら思考停止するためにこのことばを使っている。

    まことのインテリジェンスは,デフレーションを貴重なプロセスとして受けとめ,これに正しく対応するところにある。


      災難に逢ふ時節には災難に逢ふがよく候。
      死ぬる時節には死ぬがよく候。
      是はこれ災難をのがるる妙法にて候。
                    (良寛)