Up 「粒は波」(量子論) 作成: 2014-10-26
更新: 2014-10-26


    「系−個」存在論は,つぎを内容とする存在論である:
      存在は,個の系
      個は,系
      したがって特に,存在は「系-個」連鎖 ──この意味で, 「非実体」

    「系−個」のイメージは,「雲−粒」である。
    これをダイナミクスで表現すれば,「波−粒」になる。
    そしてこのとき,「個は系」には「粒は波」が応じる。
 

    「粒は波」?
    「粒は波」は,科学にある。
    量子論である。

    量子論の謂う「粒は波」の「波」は,簡単に言うと,確率事象である。
    ただしこの場合,「○○の確率は5%,△△の確率は12%,‥‥」と言うときの「○○の確率は5%」「△△の確率は12%」‥‥ は,個々に実体とされる。
    こうして,粒は,実体「○○の確率は5%」「△△の確率は12%」‥‥ の重なり合いである。
    ──この解釈が,量子論の真骨頂である(註)

     註 : この解釈は,物理学での「ミクロの粒子」の振る舞いを説明するために案出された。
    この解釈は「説明を与えることができる」を以て受容されるのであり,真偽を問題にするものではない。

    さて,ここで最初の粒を「個」と読み,実体「○○の確率は5%」「△△の確率は12%」‥‥の重なり合いを下位の「個」の関係性と読めば,「個は系」になる。

    併せて,人間の立てる「存在」としては,ここを「系-個」連鎖の下限と見ることになる。