Up 温度の定義 作成: 2025-02-16
更新: 2025-02-16


    集合Xの要素が多いとき,要素の分布の「場合の数」は非常に大きくなる。
    よって流れの関数:
      \[ f_e : \mathbb{R} \longrightarrow \mathbb{R} \]
    の最大値も大きくなり,このグラフを描けば,滑らかな曲線になる。
    実際は階段グラフなのだが,グラフの最大値に比して段差が小さいので,滑らかな曲線に近似されてしまう。

    「グラフ曲線が滑らか」とは,関数が「微分可能」ということである。
    そこで翻って,関数 \( f_e \) を「微分可能」で考えることにする。

    ここに至って,いよいよ「温度」の定義となる。
    温度は,「流れの中の分布の温度」として定義される。
    即ち,時間「\( u \) の \( x \) 倍」での分布 \( f( x ) \) の温度 \( T( x ) \) を,つぎのように定義する:
        \[ T( x ) = \left| \frac{ d f_e ( x ) }{ d x } \ \right| \]


    こうして温度とは,
      「分布の変化がエントロピーの大きな変化になるところで,高い」
    というものである。