Up オルガノイド organoid 作成: 2022-03-02
更新: 2022-03-02


    細胞をいじっていると,アンドロイドをつくりたくなる。
    しかしアンドロイドは無理なので,敷居を下げてオルガノイドをやろうとなる。

    アンドロイドをつくりたくなるのは,その背徳感がたまらないからである。
    オルガノイドの主題に胸ときめかせるものも,この背徳感である。

    背徳感のワクワクは,隠しておくべきものである。
    そこで,タテマエをつくる。
    タテマエをつくって,堂々とやれるようにする。
    そのタテマエが,「医療に貢献」である。

    「医療に貢献」は,2つ言うことができる:
    1. 「培養細胞システムを実物に近づける」
    2. 「再生/移植医療」


    a.「培養細胞システムを実物に近づける」
    これに対しては,つぎのように返すことになる:
      「オルガノイドは,実物とは似て非なるものである」

    オルガノイドはどうして実物にはならないのか?
    実物は,<他との関係性>だからである。
    オルガノイドづくりは,<他との関係性>づくりにはならない。

    よって,オルガノイドのことを実物にあてはめたら,それは嘘になる。
    しかし,オルガノイドを研究の手法にしている者は,オルガノイドで調べたことを,実物にあてはめる。
    そうするとどうなるか。
    実物にあてはめたそのことばが,独り歩きする。


    b.「再生/移植医療」
    これに対しては,つぎのように返すことになる:
      「再生/移植医療は,社会のカーストを現すだけである」
    その「医療」を受けることができる者は,その「医療」の料金を払える者だからである。

    そしてそれ以前に,そもそもオルガノイドは実物にはならない。

    しかし,「再生/移植医療」を唱えていると,引っ込みがつかなくなる。
    「実現はもうじき」のポーズをずっと続ける羽目になる。