表現 ──「方法論」 作成: 2016-03-08
更新: 2016-03-08


    ここでテーマにする「自分の論文をおもしろくする」の「おもしろい」は,「おもしろい」を狙ってつくる「おもしろい」である:
        おもしろいのは,おもしろくしたから
        おもしろくないのは,おもしろくできないから
    ここまで「天然・まんま」の「おもしろい」──ノン・カテゴリカルの「おもしろい」──に言及したきたが,それはここでテーマにする「おもしろい」と紛れないようにするためである。
    ここでテーマにする「おもしろい」は,カテゴリカルの「おもしろい」である。


    <おもしろくする>は,作為である。
    この作為を,「表現」とよぶ。


    素人の石膏デッサンは,写実である。
    見たままを描く。
    これに対し,<白から黒まで使う>の指導が入る。
    表現は,<白から黒まで使う>(「構成・強調」) である。


    翻って,「表現」は,「写実」がこれに相対してくる。
    写実から見た「表現」は,<歪曲・誇張・ウソ>である。

    「表現」は,《「写実」を意識して,ウソを合理化する》を含むことになる。
    「ウソ」を「確信犯的ウソ」にして,居直る。
    この「確信犯的」を,「方法論」と自称する。

    こうして,表現は,<方法論の表現>である。
    自分の論文を「表現」と定める者は,論文の中で必ず「方法論」のことばを使うことになる者である。