Up 得は,形式」─「学校数学=形式陶冶」: 要旨 作成: 2013-11-09
更新: 2013-11-09


    本論考は,問い「学校数学は何のため?」を,生徒の側からの問い「学校数学の勉強は,自分にどんな得がある?」に画定した。

    すべての生徒に「学校数学の勉強は,あなたに得がある」と答え得るその得は,「形式」のほかにはない。
    どうしてか?

    すべての生徒が対象であるとき,「数学が得である」と答えることはできない。
    そうでない生徒が,現前しているからである。
    得を答えるとき,その得は数学以外のものである。
    そして「形式」が,このときひとが思念できる「数学以外のもの」である。

    翻って,学校数学がすべての生徒に「学校数学の勉強は,あなたに得がある」と答えるものであるとき,その学校数学は「形式陶冶」として自身を立てるものである。