Up 道具主義に対し線引き 作成: 2010-07-14
更新: 2013-06-23


    生徒の側からの「学校数学は何のため?」は,自分の数学の勉強に対し,これの必要性を疑って立てる問いである。

    このときの「学校数学の勉強にどんな得がある?」の問いは,道具主義的な答えを求めるものではない。
    道具主義の答えとは,つぎのものである:
     勉強した内容は,このような道具として使われることになり,役に立つ。
    これが求める答えでないのは,これだと《学校数学が無駄になってしまう者が多数》ということになるからである。
    実際,現状は,「数学を使う」にはならない「数学の勉強」をしている者が多数である。

    要するに,道具主義的な答えは,「無駄にならない少数をつくるために学校数学はある」──裾野主義──になる。
    裾野主義は「学校数学の勉強が無駄になる者が多数」を言っているわけであるから,もとより「学校数学の勉強にどんな得がある?」の答えになるものではない。