Up 表象主義 作成: 2013-09-13
更新: 2013-09-13


    「内なる形式」を記述することは,「形式」を<内なる実体>にすることである。

    しかし,実体として認められるものは,カラダである。
    さらに,「形式」に特に対応しそうな実体を求めるならば,位相変化する神経細胞のネットワークである。
    「内なる形式」という実体は,どこに・どのように存在していると考えればよいのか?

    西洋思想・哲学の伝統は,<内なる実体>を,カラダを超越するふうに存在措定する。
    これは形而上学であるが,ひとはこれをアタリマエにしている──これを気にかけることはない。
    実際,ひとは「‥‥する力」のことばをふつうに使う。 このとき,「‥‥する力」を,「カラダのどこに・どのように存在している?」というふうに考えてはならないものいうふうに,了解している。

    この形而上学の本質は,《ことばには実体が対応する》を立てることにある──ことばと実体の写像理論。
    これは,実体論とか表象主義と呼ばれる。
    本論考では,「表象主義」の言い方を用いる。

    西洋哲学の伝統は表象主義である。
    数学教育学の主流は認知科学の上に数学教育学を据えようとするものであるが,認知科学は (主流において) 表象主義である。