Up <数学>の問題へ 作成: 2010-11-22
更新: 2010-11-22


    「数学的リテラシー」は,現行を<数学>と定めこれと横並びに<数学>を立てるタイプの出口論であり,「数学的な考え方」「数学的問題解決」の系譜になる。
    このタイプの出口論は,「数学を使う」をゴールにする。 現行では「数学を使う」にならないから,「数学を使う」になる方法を立てねばならないと考える。

    これに対し,つぎの疑問がもたれる:
    1. 「数学を使う」が,学校数学のゴールか? これが,数学を勉強していることの意味か?
    2. 翻って,現行の<数学>は,何をやっていることになるのか? 意味のないことをやっているのか?

    そこで改めて,「数学を勉強して何の役に立つ?」の問いになる。
    この問いは,はたして答えられたのか?
    わたしは,この問いの答えの問題は,《一度は考えるが,結局思考停止され,以降ずっとそのままになる》という種類のものであるように思われる。
    思考停止になるのは,問題が難しいからである。

    翻って,<数学>がわからないから<数学>に走ってしまう。
    「数学を使う」を自明のことにして,ゴール概念を非現実に立てる。
    実際には,この<自明>は疑ってよいものである。

    <数学>の意味の考究は難しい。
    それのゴール概念は,「人格」とか「徳」とか言っているものに,おそらく近い。
    しかし難しいとはいえ,これの考究が本来数学教育学の出発点であり中心であることは,間違いない。