Up 教員は,数学の専門性を欠く 作成: 2012-05-11
更新: 2012-05-11


    教員にとって,算数・数学科の授業内容になっている数学をカバーすることは,不可能である。
    授業の都度,主題になっている数学を押さえるというのも,不可能である。
    実際,数学の押さえは,とてつもない時間と労力を要する。 教員には,これをする余裕はない。

    教員養成課程の数学コースも,算数・数学科の授業内容になっている数学をカバーするふうにはなっていない。 ──そのようなことは,はなから不可能である。
    学生は,授業設計をいくつかの数学的主題で鍛錬したのみで,卒業する。
    実際,主題をただ増やしても意味はない。 いくら増やしても,算数・数学科の内容になる主題の数とは比べものにならない。
    授業設計で学生が勉強することになるのは,授業設計の<形式>であって,授業設計の<内容>ではない。

    こういうわけで,教員はもともと数学の専門性を欠いている。
    数学の専門性を欠いていることは,教員の欠点ではない。 教員の必要条件 (含意) である。