Up 学校数学の「個の多様性」 作成: 2012-06-05
更新: 2012-08-03


    学校数学は,修業である。
    修業の実現は,<「個の多様性」を条件に伴う修業>の実現である。

    教師は,「これが生徒に勉強させるべき数学だ」と自分が思うゲームを生徒に与える。
    生徒はゲームに取り組む。
    これが,彼らにとって<修業>になる。
    ゲームがどんなであれ (数学として荒唐無稽なものでも),それに取り組むことが<修業>になるからである。
    こうして,数学の授業が<修業>として成立する。

    ここには,生徒と教員の両方に「個の多様性」がある。
    生徒の側の「個の多様性」の相は,つぎのものである:
      算数・数学科の授業は,成長レベルも個性も多様な生徒を相手にする。
      数学を授業する力をもっていても,赤ん坊に数学の授業ができないように,力の発現は相手次第である。
    教員の側の「個の多様性」の相は,つぎのものである:
      教員は,数学の授業として,自分本位に「これが数学だ」と思っているゲームを生徒に与え,生徒にこれをやらせる。
      「これが数学だ」は,教員の数学の力がどの程度かに依存する。