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Up 「εテンソル」 作成: 2018-02-22
更新: 2018-02-22

    偽テンソルには，「添字がついているから，テンソルだ」タイプのものがある。
    「εテンソル」は，それである。

    ϵijk が，つぎのように定義される：
      ϵijk={+1( (i,j,k) が偶順列 )−1( (i,j,k) が奇順列 )0( i,j,k のうち等しいものがある )

    「添字がついているからテンソルだ」の思いは，，
      「行列/超行列の形をしたものがテンソルだ」
    である。
    「ϵ テンソル」の ϵijk は，つぎの立方超行列の中に配置できる：

    数学のテンソルは，「線型代数」の中の概念である。
    εは，そうではない。
    「εテンソル」は，偽テンソルである。

    εを「テンソル」に仕立てようとすれば，「集合」のカテゴリーでこれをやることになる。
    この方法を示しておく。


    簡単のために，i,j,k∈{1,2,3} の場合で説明する。

    集合 {1,2,3} を N , とおく。
    そして，写像
      ϵ:N×N×N⟶{+1,−1,0}
    をつぎのように定義する：
      ϵ(ijk)={+1( (i,j,k) が偶順列 )−1( (i,j,k) が奇順列 )0( i,j,k のうち等しいものがある )
    N×N×N 上の同値関係
      (i,j,k)∼(i′,j′,k′)
    を
      ϵ(i,j,k)=ϵ(i′,j′,k′)
    で定義し，この同値関係で N×N×N を類別した商集合を，N⊗N⊗N で表す。 ──テンソル記号「⊗」のこの使用は，もちろん無理矢理である。

    そしてこのとき，つぎの可換図式を得る：
    ˉϵ は，１対1対応であり, 「集合」のカテゴリーでの「同型 isomorphism」である。