「積分」の発想/方法: 曲線(一般) を階段に近似/平均化 作成: 2006-07-23
更新: 2008-07-17


  1. つぎの課題を考える:

      「関数fを,ある曲線の傾きの変化の様子を表していると見る。
       そして,その曲線をグラフとする関数Fを求める。」

    (x, F(x)) での傾きが f(x) となる関数 F を求める。


    この解決の考え方は:

    • fが定値関数であれば,小学算数の知識でFを求めることができる。
      一般に定値関数ではないので,問題になっている。

    • fのグラフを細分してその間を定値関数に近似 (=fのグラフを階段グラフに近似) すると,Fのグラフの近似が得られる。

    • 区分を細かくするほど,Fのグラフのよりよい近似が得られる。

       予想: 区分を細かくしていくと,Fのグラフがひとつの形に収束する


  2. fのグラフを階段グラフに近似し,これに対するFのグラフを求める計算を文字式に表せば,これは「区分求積」の概念に一般化される。

    1. 階段関数への近似と,これに対する区分求積 St の計算式を,文字式で表す:

        Sx = f(x1)·Δx1 + f(x2)·Δx2 + ‥‥ +f(xn)·Δxn
          ( x = x1 + x2 + ‥‥ + xn )

    2. (シグマ) の記号法を導入する:
        f(x1)·Δx1 + f(x2)·Δx2 + ‥‥ +f(xn)·Δxn =  n

        k=1
        f(xk)·Δxk


  3. 「区分を細かくする」の極限を,式に表す。
    (これは「積分」の概念に一般化される)

    • lim を導入する:
        lim
        n→∞
        n

        k=1
        f(xk)·Δxk