算法──内算法(演算)と外算法(作用)  


    いまの学校数学では,生徒は「×」の記号を使って,「2m × 3 = 6m」のような
    量 × 数 = 量  
    の式を書くようになります。 しかしこれは,間違いです。

    「×」の記号の使用は,「数 × 数」に限ります。 ──これが記号「×」の文法です。
    そしてこの場合,つぎの形になります:
    数 × 数 = 数  


    数学では,一般に,つぎの形の関数を「算法」と呼びます:

           

    そして,この「算法」につぎの2種類を考えます:

    (1):   
    (2):   

    (1) を「内算法(演算)」と呼び,(2) を「外算法(作用)」と呼びます。

      註 :「外算法(作用)」では,つぎの見方をしているわけです:



    この定義を知ったところで,最初の「2m × 3 =6m」の表現に戻るとしましょう。
    この表現は,「2m の3倍は6m」のつもりで書いたものです。
    これは「長さ2m に数3を倍作用すると6m」ということで,外算法(作用) になります:

           

    一方,「×」は,「乗法」と呼んでいる数の間の内算法(演算) の記号です。
    よって,「2m × 3 =6m」の表現は,「×」の記号の文法違反です。

    そこで,本サイトでは,量に対する数の倍作用を表す記号として「×」を用いるようにしています:
    「2m × 3 =6m」