Up 記号「×」の文法 作成: 2011-06-28
更新: 2011-06-28


    数は,<量の比>を対象化したものである:

    数には自然数,分数,正負の数,複素数といろいろな数があるが,これは扱う量を段階的に複雑にしてきた結果である:
自然数
分数
正負の数
複素数


    この数には,「積」が定義されている。
    「積」を定義するとは,記号「×」の文法を定めるということである。
    そして,「×」の文法は,この記号をつぎのように用いるというものである:

    自然数,分数,正負の数,複素数では,つぎのようになる:
自然数
分数
正負の数
複素数


    「×」の文法からは,「積の公式」が導かれる:
自然数
分数
正負の数
複素数
    数が違えば「積の公式」もひどく違ってくるが,それは「×」の文法をそれぞれの数に適用したらこうなってしまうということである。

    誤解のないよう強調しておくが,「積の公式」が「×」の定義なのではない。
    「積の公式」は,「×」の文法 (「×」の定義) から導かれるところの定理である。