Up 「浮遊微粒子」の物理 作成: 2022-03-16
更新: 2022-03-16


    呼吸は,絶えず浮遊微粒子を吸い込んでいる。

    浮遊微粒子は,つぎのようなサイズのものである:
芦川秀夫「食品業界の微粒子測定」から引用:


    「浮遊微粒子」の「浮遊」の意味は,「重力の影響を受けない」である。
    質量が表面積に対し極めて小さいので,重力よりも僅かな空気の流れや,他の微粒子のブラウン運動に影響される。

    このような浮遊微粒子の運動系は,複雑系である。
    特に,浮遊微粒子の移動軌跡のシミュレーションは,できることではない。


    微粒子計測器 (パーティクルカウンター) が商品化されているが,これが実効値で数えられる微粒子は,せいぜい 0.1μm オーダーのサイズまでである。

    「新型コロナ」騒ぎでは,ウイルスの浮遊シミュレーションを装った「飛沫シミュレーション」や,「ウイルス99.9%除去空気清浄機」が出回ることになったが,これらはすべて騙しである。
    空気中のウイルスの動態は,測定できることではないからである。
    ──そのそも,存否を捉える術もない。


    「クリーンルーム規格」というのがあって,それは「粒径 0.5μm 以上の粒子が m3 あたり○個」で表現する──「クラス○」と謂う。
    このことは,「粒径が 0.5μm より小さくなると,数えても実効値にはならない」を意味する。
    日常の生活環境の浮遊粒子数を知りたくなるところだが,そのような数値は調べようが無いのである。

      日常の生活環境の空気清浄度は,クラス1,000,000 以上。
      「空気がきれい」でも,クラス100,000 程度。
      強調するが,粒径 0.5μm 以上の粒子だけで,数がこれだけある。